年の差カップル。肥後随喜でラブエッチ



――夢のような甘美な初体験からおよそ三か月後。7月中旬

 初夏からいよいよ本格的な夏へと移り変わろうかと言う。ほんのり暖かな新緑の季節。

 二人はすっかり職場でも評判の仲良しカップルとなっていた。

――午後5時。デパート店舗(てんぽ)

(こんなところ……見られたらどうしよう)

「あぅぅ……はぁぁ」

甘い吐息が漏れる。

「くぅぅ……もう……そんなに私のオッパイが好きなの?」

 菫は背後から勇人に抱きすくめられ、その豊満(ほうまん)な乳房を弄ばれていた。

「菫さんのオッパイは揉んでも揉んでも飽きませんよ」

 たっぷりとしたボリュームの信じられないくらい柔らかい肉が、勇人の手の動きに合わせてめまぐるしく形を変える。

「もう……はぁぁ……私オッパイ弱いんだから」

「そうですね。知ってます。苛めがいがあって可愛いですよ」

「もう! いじめっ子!」

(ああ……勇人君どんどん上手になっていく……もうオッパイだけでダメになりそう)

 客の来ない建物の裏側。コンテナの物陰でもつれ合う二人、そして漂う女の甘い香り。

 もう若い欲望を抑えるすべはなく、菫の熟れた肉体は、日々十代の青臭い獣欲を受け止め続けていた。

 職場のみんなは言う。明るくなった。可愛くなった。綺麗になった。でもそれと同じくらい菫は精液臭くなっていた。

「勇人君? 今日……何の日かわかってる?」

「わかってます。菫さんの誕生日ですよね?」

 覚えていた。

 自分の誕生日を告げたのは、交際前の何気ない会話の時だった。

 ちゃんと聞いてたんだ。私の話。そう思うと嬉しさがグッとこみ上げてくる。

「勇人君はまだ若いし、いっぱいシタくなるのはわかるけど。優しくしてくれないとエッチお預けなんだから」

 そう言って菫はいつものお姉さんぶった澄ました顔をプイッと勇人に見せつける。しかし胸中はおだやかではない。この数か月で開発された熟れた肉壺は、もうこの若い獣なしには三日と過ごせない。最近は恋愛の主導権も勇人に奪われつつあり、それがこの年上のお姉さんを焦らせていた。

「大丈夫ですよ。優しくします」

 勇人は自信満々にそう答えた。

「そう……ならいいけど」

 勇人の返事に少しだけ安心する菫。

 そうなのだ。若い欲望を容赦(ようしゃ)なく叩きつける勇人だが、基本的には自分を思いやってくれる良い彼なのだ。

「ちゃんとプレゼントに、菫さんの大好物だって用意したんです」

「大……好物って?」

 勇人の思惑ありげな笑顔に、そこはかとなく嫌な予感がする。

「コレ大好きでしょ?」

 くらっとした。

 そう、目の前に掲げられた、小さな箱を目にした瞬間。あまりの驚きに眩暈がした。

 熊本の性具、肥後随喜(ひごずいき)

 かつて菫をドロッドロの性感の淵へ叩き落とした。伝統の媚薬であった。




――午後6時、亀鶴書店店内

「なんか良いことあっただろ?」

 ニコニコしながら安藤がそう言った。

「ないです!」

 プイッと顔をそむける菫。

 休憩時間が終わり職場に戻った菫、さんざん乳房を()ねられ、体の芯に残り火を火照らせながらの業務はあまり心地の良いものではなかった。顔と身体が火照って、気分がかっかとする。

「いやぁ俺は長い付き合いだからわかる。その顔はなんか良いことがあった顔だ」

 安藤はニヤニヤしながらそう続けた。

「そう……かなぁ?」

 はっきりと断言されて。顔を赤くしてうつむくしかなかった。

(あんなエッチなプレゼントで喜んでるの? 私は)

 あのプレゼントを思い出すだけで、体の芯がジンと痺れる。自分が酷くエッチな人間になったように感じて羞恥(しゅうち)で体がむず痒くなる。

(顔に……でちゃってたんだ)

「でも。やっぱり菫、良い顔するようになったよ」

「そうですか?」

 エッチになった自分を決まって周りは高評価する。それが菫には少し不思議だった。

「うん。楽しいなら楽しい。嫌なら嫌。恥ずかしいなら恥ずかしいって。今の菫見てるとはっきりわかるよ」

「…………」

「昔はなに話しても、微妙に嫌そうな、なんかよくわかんない表情をいっつもしてた」

「そう……でしたか」

「まあ……可愛くなったよ。勇人がむかつくくらい」

「クスッ」

 思わず笑みが零れる。

「そう!」

 安藤が大きな声を上げて菫を指さす。

 菫は驚いて目を丸くした。

「今のが嬉しい顔だ」

 安藤もじつに嬉しそうにそう言った。

「もうっ店長ったら」

「はははっ……うん! 勇人も大人になったし、菫も明るくなった」

「はい!」

「うんうん……ほんとに良い顔だ」

「おしっ! 今日はもうあがっていいぞ。後の仕事は俺がやっとく」

「えっ! いいんですか?」

「うん。今日くらいなら俺みたいな中古品でもなんとかなる。それに今日誕生日だろ?」

「あっ…………」

 胸に嬉しさがじわっときた。そう自分は愛されていたんだ。色々な人から。安藤だって自分を思いやってくれていたじゃないか。

 愛されているのだから、愛で返そう。菫の”可愛さ”の秘密はここにあった。

「ありがとうございます!」

 菫は渾身の笑顔でお礼を述べた。

 そうだ自分を変えてくれた”あの人”にも今度お礼をしに行こう。

 そう想ったところで、ふと考えてしまった。

 ”あの人”……? 誰だったっけ?

 勇人とお付き合いするときにお世話になった人だった様な気が……する?

(そんな人いたっけ? いたような? 気がするけど……) 

 薄らぼんやりとしたイメージだけをかすかに感じる。あれは……女の人だったか?

(でも……いないよね? そんな人)

 結局ぼんやりとしたイメージはついに象を結ばずに思考の片隅へと消え去った。

「どうした?」

 いぶかしんだ表情を不審に思ったのだろうか。安藤が菫の顔を不思議そうに覗き込んだ。

「えっ! いやっ! なんでもないです。それでは今日はお先に失礼させてもらいますね」

 顔を上げて笑顔で答える。

「おお……楽しんでこい! またな」

 安藤はそう言って、軽く手を上げた。

「はい」

 ロッカールームで着替えて、バッグを持ってデパートを後にする。

 自宅では合鍵をもって先に帰った勇人が、首を長くして待っているはずだ。

 ふと夜空を見上げる。

 夏の綺麗な空に流れ星が一つ、流れていた。



――午後7時半。菫の自宅。

「ねえ……せめてシャワーだけでも浴びさせて」

 マンション自室のベッドの上。若い熱気のこもる部屋に菫のか細い声が響く。

 片付いた簡素な部屋に、勉強机とピンクのベッド。机の上の時計やらぬいぐるみは可愛らしく上品だ。勉強机の書棚に目を光らすとそこには文学系作品やら新本格ミステリーが並んでいる。知的でかつ楽しむことを忘れない彼女。それでいて清楚な人柄が伺える。

 こんな清楚な女の子なのだからエッチも上品かと思うのだが……

「ダメですよ。こっちはずっと我慢してたんだから今日のエッチはこのままします」

 お帰りのキスが終わったが早いか、勇人は菫をお姫様抱っこで抱きかかえてそのままベッドに転がした。

 強引だ。

「ずるいよ……自分は奇麗にしてるのに」

「そうですよ。菫さんのために綺麗にしてます。文句ありますか?」

「わたっ……むぐぅ」

 ”私も綺麗に”と言い返そうとしたところで、キスで口を塞がれる。

 エッチなことについてはいつもキスで黙らせられる。勇人の固いねっとりした舌で口唇を舐られると、ほんわりした気分になり、すべてがどうでもよくなる。そうなるように菫の口唇は調教されていた。

 菫が黙ったところで勇人は彼女の衣服を黙って剥きはじめた。

 勇人は菫とセックスするときは必ず陰茎を綺麗に掃除して、時には消毒までする。

 子宮頸管(しきゅうけいかん)への感染症を恐れているのだ。実際、勇人のマメな性行為の下準備のため菫の膣内細菌は良好なバランスを保っている。フェロモンこそ強めだが性臭は香り良く、オリモノだって綺麗で量も正常だ。

 セックスをするようになってから、辛い排卵痛や生理痛もだいぶ良くなった。驚くことに肌や髪に艶が出てきて、十代に若返ったようだ。

 勇人の身体に対する思いやりは正直嬉しい。

 しかし勇人は自分のことは奇麗にしないと我慢ができないくせに、頻繁に風呂に入っていない菫を抱きたがる。

 目的はフェロモンなのだそうだ。女は臭い方が興奮するらしい。それで喜ぶならとそんな性癖だって菫は許容しているが、恥ずかしいことに変わりはない。

 いやむしろ、そうやって苛めて楽しんでいるのだろうか?

 そうして菫がぼやっとしている内にパンツだけの姿にされてしまっていた。

「菫さん可愛いですよ。もう濡れちゃってるんですね」

「えっ!」

 驚いて自分の股間を見る。そこはまるで漏らしたような大惨事だ。股間にしっとりと濡れた布が張り付いている。

「舐めて濡らそうかと思ってたけど、必要ないみたいだね」

「うそぉ……やだぁ……」

 恥ずかしさで顔を紅葉の様に紅く染めてしまった。

「まあ……エッチな妄想が止まらなくなるようにアレ見せたんだけど。本当にエッチなことばっかり考えてたみたいですね」

「そんなこと……ないもん!」

 目をつむってそっぽを向く、いつから濡れていたんだろう? もしかして淫臭(いんしゅう)を纏って町を歩いてしまったの? 店長に嗅がれた? そんな疑問が頭を渦巻く。

 ねちゃぁぁ! と音が鳴った。異物の侵入感に思考が吹き飛ぶ。

「ほら……こんな簡単に指入っちゃいますし、中まで濡れてホコホコですよ」

 勇人が膣に指を入れて勝ち誇ったような顔でそう言うと、わざと音が出るように掻き混ぜた。

 ねっちゃねっちゃねっちゃねっちゃ……くちゅぅぅちゅうぅ。

 粘膜の擦れる淫靡(いんび)な音が響き渡る。

「やぁぁ! 音! たてないでぇぇ!」

「いや……菫さんのオマンコが粘りついてくるんですよ」

 勇人が言うには菫の膣粘膜は彼のペニスによく粘りついて摩擦係数(まさつけいすう)が高いそうだ、それが非常に良い具合なのだと彼は言う。

 エッチな名器。たびたびそう褒められるが菫にはそこまで自身の性器に対する愛着はなかった。

「ところで菫さん……中にアレが入ってるのわかります?」

 アレ? もしかしてプレゼントとか言っていた肥後随喜だろうか? そう言われてみれば、どことなく膣が火照りムズ痒いような気がする。

「まっ……待って。本当に肥後随喜を入れちゃったの? 濡れちゃってるのよ……私」

「ええ……シトシトに濡れてるところに擦り込んでますよ」

 膣内で指が動く。たしかに何かを擦りつけるように丹念に膣襞をマッサージしている。

「あっ! ああっ!」

 じわっと痒くなった。

「ダメだよっ! ねっ? 一度抜いて。落ち着いてからちゃんと……シヨッ!」

 ちゅっちゅっちゅっちゅっちゅっ。くっちゃくっちゃくっちゃくっちゃ

 勇人は指を抜くどころか、さらに素早い指の動きで丹念に奥の方まで芋の成分を塗り込んでいく。

「あっ! ああぁあ! あんっ! だめっ! きゅぅぅん! 勇人君許して」

 熊本の媚薬、肥後随喜はハス芋の葉柄を乾燥させたものを編んだ性具だ。

 食用に適さないこの芋がもつ成分は女性の膣にムズ痒い刺激を与える。さらにペニスの勃起を促す作用があり、膣内の刺激に弱い女性なら思わず泣き出すほど、性行為の快感を高める媚薬だ。

 勇人が使っている肥後随喜は、リングタイプのもので指に巻きつけて使う大きな指輪のような形だ。ペニスに巻くタイプと違い、細かいところまでマッサージできるので芋の成分が膣ヒダの隅々までいきわたる。

 古くは参勤交代の土産物として徳川将軍への献上品としても扱われ。大奥などで使用された伝統の性具である。

 菫の膣がぐっちゃぐっちゃと盛大な姫鳴(ひめな)りを上げ始める。肥後随喜の成分であるサポニンが溶けだして、泡立ち始めたのだ。

 ムズムズを抑えようと大量の愛液が染みだしてくる。

「菫さん……どんな感じですか?」

「オマンコがムズムズ痒くて……ねえお願いそのくらいにして……もうエッチしてよぉ」

「そうですね……でもエッチをする前に一つお知らせがあります」

「あんっ! ああぁぁ……お知らせって?」

「実は肥後随喜がプレゼントってのは嘘ですよ」

「えっ! そっ! そうなの?」

「ちゃんと菫さんの大好きな幸運堂のケーキとシャンパンでパーティの準備は万端ですし、菫さんがこないだのデートでじっと見てたブティックの洋服……買っちゃいましたよ」

「そっ! そうだったの?」

「当たり前じゃないですか。大事な菫さんの誕生日なんですよ」

「僕はいつも菫さんが何をすれば喜ぶのかリサーチしているのだ」

 得意げな顔をして、妙な言い回しで勇人はそう告げるととキスを一つした。

「うう……うれしいよぉ……ありがとぉ」

 涙がポロポロでてしまった。エッチの時に嬉しいことを言われると胸がじ〜んとしてしまう。だってエッチの時は心だって裸なんだから。

「あら……これからが本番なのにもう泣いちゃったんですか」

「だって……だってぇぇ」

 勇人が優しく頭を撫ぜてくれる。嬉しい気持ちはエッチの最高のスパイスだ。愛してるとささやかれるだけで膣内の男の存在感はぐっと増すのだ。

「菫さんは本当に可愛いですね。可愛がってあげるとすぐ子宮が降りちゃうところなんて最高ですよ」

「えっ!」

 いつの間にか火照った子宮が降りていて、それを深々と挿入された勇人の指がコリコリ転がしていた。

「このコリコリした子宮口にも擦り込んじゃいますからね」

 ぞっとした。

(えっ! 子宮口に塗っちゃうの!! 私そこがすごい感じちゃうんだよ!)

「らっらっら!! らめぇぇぇぇ!!」

 菫の悲痛な叫びが部屋に響き渡った。




 まな板の上の鯛の心境とはこんな感じなのだろうか? 菫はそんなことを考えながらベッドの上で甘いため息をついた。

 膣内は濡れそぼり、愛液と肥後随喜の成分が混ざり合い泡立ってぐちゃぐちゃだ。

 膣襞と子宮口がたまらなく痒い、結局子宮口にもたっぷりと芋茎をすり込まれ、もうペニスで掻いてもらわないことには痒くて狂いそうだ。

「勇人君……もう許してくれるんでしょ?」

 菫はそっと尻を上げて勇人の方に向けた。

「そうですね……このカチカチのペニスで掻き混ぜてあげますよ」

 勇人がそっと菫のお尻を抱える。背後から犯す、後背位の姿勢だ。

 菫は白い桃のような尻を振って勇人を誘った。

 ぐちゅうぅぅ

 抱き寄せるワンアクションで軽々と結合してしまった。開き切った膣口は一切の抵抗なく、十代の張りつめ肉棒を飲み込んでしまう。

「あんっ! あうぅぅ」

「おっ! おおぉぉ!」

 菫は肉棒の熱さに、勇人は柔肉の感触にそれぞれ声を上げる。

「菫さん……ドロドログッチャグッチャのネバッネバですんげぇ気持ち良いです」

「あっ! あんっ! そっ……そんなのが気持ち良いの?」

「菫さんだって気持ち良いんでしょ?」

 そう言われて小さくコクンと頷いた。

「うっ……うん。勇人君の熱くって固いのが痒い所に当たって……気持ち良いよ」

「じゃあお待ちかね……痒いところ掻いてあげますね」

 緩やかなピストンが始まった。

 タンタンという柔らかい肉の衝突音とぐっちゃぐっちゃと粘る姫鳴りが辺りを支配する。

 勇人が本当に気持ちよさそうに自分を抱く、愛おしいものを愛でるその腰使いと吐息を感じるだけで、子宮がキュンキュンする。

「あんっ! やだ! オマンコ蕩けそう……勇人君……どうしよう?」

「いいですよ……そのままキュンキュン締め付けててください。ちゃんと最後までイカセますから」

 膣の筋肉が狂ったように蠕動して、勇人のペニスを舐めしゃぶる。自分でも無意識のうちに腰を使い始めてしまっていた。

 ゴツッゴツッと固い十代の亀頭が子宮をノックするたびに、目の前に火花が散りピンクの甘い靄が視界と脳内を包んでいく。

「あっ! あっ! あっ! 子宮……やなのぉぉぉ! 勇人君……奥はゴツンこダメなのぉぉ」

「何いってんですかっ! 子宮で感じるエッチな女の子じゃないですか菫さんは……ゴツンこ大好きでしょ……」

ほらぁ!

 勇人が叫んだ直後。腰を打ちつけるパアァァァンと言う豪快な音が鳴る。

ひぐぅぅぅ! らめぇぇぇぇ!!

 熱いペニスの先端が勢いよく子宮を叩く。視界が白くショートして頭をハンマーで殴られたような強烈なオーガスムスが襲った。

「あっ! あっ! あんっ! あんっ! くううぅぅ! イッちゃ……イッちゃうよ」

 快感に身体が痙攣する。

 無意識に膣がペニスを食いしばっていた。

「う……締まる……菫さん締まり良過ぎですよ」

 イッてしまった。

 勇人はいつもこうやって菫を何度もオーガスムスに叩き込んで、快感の淵へ突き落していく。

 その状態は悪くなる一方だ。なにせセックスを重ねるごとに勇人は巧くなり性感に強くなっていくのに対して、逆に菫はエッチを重ねるごとにどんどん感じやすくなってしまっている。

 膣と子宮で感じるオーガスムスの波を感じなら、菫は柔らかい肉を震わせた。

 その時、勇人の指が力強く臀部をとらえ、菫の柔肉に食い込む。

 それが女にトドメを刺す行為の前兆だった。

 パンッパンッ! ぐっちゃぐっちゃぐっちゃぐっちゃ! スパンッ! ぐちゅぅぅ パンパンパンパンパン!

 突然勇人が狂った様に腰を菫の尻に打ち付けはじめた。

 淫蜜が飛び散り、肉の衝突音が鋭く鳴る。

 すでに一度の絶頂でグチャグチャに蕩けた三十路の肉壺が卑猥な姫鳴りを響かせる。

「ああっ! あんっ! だめぇぇ! あっ! きゃんっ! くぅぅぅ」

「もう少しじっくり苛める予定でしたが、ドロドロマンコ良過ぎて。あんまり我慢できそうにないです。うっ! くっ! とりあえず中で一本イキますからね」

「くぅぅぅぅぅ!!」

 歯を食いしばって、膣を締めながら腰を振る。

「あんっ! ああぁぁ! 勇人君! 好きっ! 好きっ! あああぁぁぁぁ!」

「んっ! くうっ! イキますよ! 中出し! イキますからね!」

「きて! きて! 私も! いっくぅぅぅぅ!!」

 どぼっ! どびゅうぅぅ! どぷんっ!



 固い男根が力強く蠢いた。

 気力の限り膣を締め勇人の存在を全身で感じる。

 カチカチのペニスが脈動しながら膨張を繰り返していた。

 十代特有の恐ろしく粘っこい濃い精液が子宮口を貫通していく、ペニスの脈動に合わせてポルチオ性感が背骨を駆け上がってきて頭で弾ける。

 熱さでどうにかなりそうだ。

「うわっ! くそっ! 止まらない!」

 どぷっ! どびゅう! どくんっ! どくんっ!

「あっ! かはっ! うぐぅぅぅ! ぐっ! いっぐぅぅぅ!」

 絶頂が止まらない。子宮からまるで狂ったように快感が押し寄せてくる。

いっ!! いっぐぅぅぅぅ!!

 十代の熱い精液で子宮を焼かれながら、菫は獣のようなイキ声を上げて果てた。

 目の前が真っ白になる。

 真っ白な視界の中、星がチラチラと舞っていた。 


――午前0時。菫の自室。

 カタカタと言うキーボードを叩く小さな音が鳴っていた。

 セックスを終え、シャンパンで乾杯して、ささやかなディナーを二人で楽しみ、菫はベッドにもぐっていた。

 キーボードを叩いているのは勇人だ。

 彼は今、大手出版社が主催するライトノベルの新人賞に送る作品を執筆していた。

 勇人自体は初心者に毛が生えたような物書き未満な人間で、まだまだ強豪ひしめくこの業界で大賞を狙えるような作家ではない。

 魂込めて書いた初作品は辛うじて一次選考を抜けたところで落選した。

 しかしアイデアと着眼点は良いとの評価をもらい、まだまだ若いこともあって、その出版社の編集者から今後もプロを目指して頑張ってみないか? と誘われたのだ。

 それからの勇人は変わった……変わったと菫は思う。

 コツコツと色んな事を勉強をして、コツコツと作品を書いて、そしてよく働いた。

 商業出版でそこそこ売れたって、それだけで食っていけるようになるのかわからない。のだそうだ。

 彼は愛用のネットブックを使って時間があれば、何かをしている。それは勉強なり、執筆なり、たまにデートコースを調べたり。

 勇人は、とりあえず夢を語ってモヤモヤとするのを辞めて、地に足の着いた行動をとるようになった。

 大人になった。みんなはそう言う。菫もそう思う。

 そんな彼を女は優しい瞳で見つめている。

 彼が大人になって、かっこよくなっていくたびに、それを見つめる菫は胸と子宮がキュンキュンしてしまうのだから、やっぱり自分はエッチになったのかもしれない。

 たっぷりと中出しされた子宮が甘く疼く、胸がドキドキしてオッパイがキュンキュンする。

 まだ恋芽吹いて、愛は始まったばかり。

 いっぱい愛し合って、いっぱい遊んで、いっぱい仕事して、いっぱい喧嘩して。

 いっぱい笑って、いっぱい怒って、そしていっぱい泣く。

 彼らの人生はまだまだこれからだった。


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